結婚式で使用する音楽の著作権のお話

結婚式BGM
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結婚式で使いたいBGMを決めていきたい…
そもそも好きな曲を好きに使っていいものなの?
ムービーに好きな音楽を入れたい!

そんな要望や不安には著作権の問題が付きまといます。
破れば罰則もつく法律の話なので、なんとなくではなく、しっかり把握しておきましょう!

うちぼり
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こんにちは、音響オペレーターのうちぼりです。

  • 結婚式やライブハウスでの音響を10年経験
  • これまでお手伝いしたカップルは1000組以上
  • 今までオペレートした会場は50会場以上

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これを見れば全部わかる!
総まとめ!結婚式の進行とおすすめBGMはコチラ!!

結婚式に使用する音楽における著作権ってなに?


結婚式の準備をしていくうえで、よく出てくるのが、著作権ISUM(アイサム)という言葉。

結婚式ではなんでも好き勝手にBGMをかけたり、映像に好きな曲を入れたりできないんです。
結婚式のような多くの人が集まる場で、BGMを一つの演出として提供していることが、音楽を個人で楽しむものではなく、商用利用(利益目的での使用)とみなされてしまうのです。

うちぼり
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正直納得いかないですよね、僕もあまり納得していません。

しかしながら曲を作ったアーティストを守るための法律でもあります。
なによりルールなので守りましょう

会場ごとに条件が違うので、会場の指示に従いましょう


後述しますが、包括契約の有無提携映像会社など各結婚式場によって状況は様々ですので、会場の案内に沿って結婚式の準備を進めていきましょう。

著作権の基本


はじめに「著作権」についての基本をご説明します。
この部分は、上記でどうしても納得のいかない方だけご確認いただければ大丈夫です。
こういう権利があるということを知って頂ければ問題ありません。

市販されている楽曲には、二つの権利があります。

著作権


作詞・作曲をした人が持つ権利で、著作権者はその楽曲自体に権利を持っています。
第三者の楽曲使用を制限できる権利です。

ここで出てくるのが著作権管理を行っているJASRACやNexToneといった音楽の著作権管理事業者。

JASRACを例に挙げると、音楽業界では作詞家・作曲家から音楽出版社(レコード会社)に著作権が譲渡され、さらにそこからJASRACに管理委託されます。そのため著作権の使用許可をJASRACに申請を行うことになっています。

著作隣接権


レコード制作者・演奏家・アーティストが持つ権利で、著作隣接権の権利者は、録音された「音源」に対しての権利を持ってます。
通常はアーティストからの権利譲渡により、レコード会社が管理していることが多いので「著作隣接権」はレコード会社が管理しているのが現状です。

うちぼり
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この権利を侵害しないよう結婚式をしましょうというわけですね

著作権侵害をしないように結婚式を行うには


実際に、結婚式でBGMを使用する場合に問題となるシチュエーションは、以下の2点。

・挙式や披露宴で好きな音楽を流す時

・好きなBGMを使用して、映像を制作する場合

ここで関わってくるのが、「演奏権」「複製権」です。

披露宴で好きな曲を流すために「演奏権」をクリアしよう


商用利用とみなされる場合、「音楽を流す」だけでも許可が必要です。
その際に結婚式場が前出のJASRACと包括契約を結んでいる場合は、好きな曲のCDを流すことに問題はなく、申請手続きを行う必要もありません。まずは、お二人の結婚式場がJASRACと包括契約を結んでいるかどうかを確認してみましょう。
多くの結婚式場は包括契約を結んでいるのでこの点は問題ないかと思います。

※包括契約があれば、余興でバンド演奏を行うような場合も当てはまるので、別途申請などは不要です。

式場が包括契約を結んでいれば自由にCDを流せる


結婚式場のように頻繁に音楽を利用する施設は、あらかじめJARSACと包括契約を結んでいる場合がほとんどです。この場合、CDの原盤があれば好きな曲をかけていくことができるので、会場の指示に従って準備を進めれば問題ありません。

DVDやCDを作成する際に発生する「複製権」


「複製権」とはCDや配信音源などをコピーして利用する際に発生する権利です。
下記のシチュエーションでは手続きが必要になります。

自作のプロフィールムービー等の映像にBGMとして音楽を収録する※著作権フリーの楽曲は除く

結婚式で流す楽曲をプレイリストにまとめてCD-Rを作成する

結婚式の当日の様子を撮影し、記録ビデオとしてDVDを残す場合

うちぼり
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この複製権がややこしいんです。

「複製権」に関する手続きは、式場、業者に任せましょう


「複製権」は式場が契約しているJASRACの包括契約に含まれていません。そのため、利用の都度JASRACに申請する必要があります。
そして「複製権」は「著作権」だけではなく、「著作隣接権」にも関わる権利でもあるため、その権利者であるレコード会社にも許諾を得る必要があります。

これを新郎新婦に任せるのは酷な話なので、”ISUM(アイサム)”という「複製権」の利用申請を代行する団体が行ってくれます。有料です。

引用元:https://isum.or.jp/about/?from=header

ISUMでは手続きを一括で行うことが可能です。しかし、ISUMは個人で申請を行うことはできません。
ISUMと契約のある結婚式場や映像制作会社などの“ブライダル事業者のみ”申請が可能となっています。

その為、会場や映像会社に依頼するしかないのが現状です。

さらに、ISUMへ申請を行う際に大事な点があります。
それは、ISUMの「楽曲データベース」に登録されている曲しか申請できないということです。
このデータベースに登録されている楽曲は、権利者がブライダルでの複製利用を許可したものですが、登録のない曲は、その時点では権利者の「複製権」の許可が得られていない曲となり、ISUMを通しての申請ができません。

うちぼり
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これからの時代、上記のようなシステムは成り立たなくなってくる部分があるのではないかと、個人的に思ってはいますが、現状は活用しないわけにもいかないので、この辺りは式場の案内に従う方がスムーズです。

ISUMに使いたい曲がない


ISUMに登録されている楽曲には限りがあります。しかも洋楽は少ないです。あと古いです。

登録のない曲をISUMにリクエストをして、ISUMから権利者に確認を行ってもらう方法もありますが、結果的に使用可能となった場合でも、登録曲になるまでに1か月は掛かります。また、リクエストが叶えばラッキーですが、いずれにせよ結果の返答がありません。

実際は、その間に著作権者と著作隣接権者への許諾確認や料金の確認を同時に進めておくことが必要になります。ご自身での許諾確認や料金の確認は時間(1か月以上はかかります)と費用(邦楽で1曲3~5万程度、洋楽で1曲10万円程度が一般的)が掛かるので現実的ではないと思います。

「複製権」に関するシチュエーションとアドバイスを紹介


前述した複製権に関わるシチュエーションを少し掘り下げて解説させて頂きます。

自作のプロフィールムービー等の映像にBGMとして音楽を収録する

一番多いシチュエーションですね、特に最近は映像編集をできる方が増えているので余興などもムービーがほとんどです。結論から言うと会場によってかなり違いが出る部分なので早めに会場に確認しましょう。

会場によって

ISUM申請必須(会場が申請してくれる場合あり)

自作ムービーには著作権フリー楽曲しか使用できない

映像に音声は入れず、当日原盤のCDを指定のタイミングで再生することで対応

映像の再生を参列者に依頼、会場側は自作映像にはノータッチ、その代わり比較的自由なムービーを上映可能

などのパターンがあります。
ホテル、ゲストハウス、レストラン会場は様々ですのでこの辺りは事前確認必須です。

会場の機材も違うので映像作成の際は、スクリーンの比率なども確認しておきましょう。

結婚式で流す楽曲をプレイリストにまとめてCD-Rを作成する

この依頼をくださる新郎新婦さんは、歓談中の曲をご自身で作成されたいという方が多いです。
しかし会場よっては断ることもよくあります。

ISUMに申請 or すべてCDの原盤を準備し、音響が当日指定の順番で再生することで、希望を叶えることができるのですが、いずれにせよかなり費用が掛かります。

歓談曲は新郎新婦もゲストも会話がメインでほとんど聞いてない部分になるので、そこに費用をかけるのであれば別の部分に費用をかけるか、二人でおいしいディナーに行く方がいいと思います。
市販のお気に入りのアルバムを流しましょう。

結婚式の当日の様子を撮影し、記録ビデオとしてDVDを残す場合

映像会社に依頼して記録ビデオを作成する場合、入場のシーンなどを撮影すると会場で流れる音楽が収録されてしまうので複製行為になるんです。この場合も撮影を行う事業者がISUMへの申請を行いますので、手順を確認しましょう。

ただし、当日使用される楽曲を全て申請する必要がある場合がありますので、事前に当日使用する楽曲を利用シーンごとに全てリストアップしておく必要があります。

家族や友人に撮影してもらい家庭内で楽しむ分には問題ないのでいいカメラを持っている友人が居たら頼むのも一つの手ですね。

映像業者に頼むと申請が必要で、友人が撮ると申請が不要?

映像業者に記録ビデオの作成を依頼すると、記録ビデオが映像会社の作った商品としてみなされます。商用利用には申請が必要なため、映像業者に頼む場合ISUMへの申請をしなければならないというわけです。

おわりに


今回は結婚式にまつわる著作権について紹介しました。

何度も書いているので、お分かりかと思いますが基本は会場の案内に従って音楽の準備、映像の作成を行ってください。

特に友人に余興を依頼して映像を作成してもらう際には事前に会場に確認しておきましょう。

当日持ってきていただいたものがルールから外れていれば、僕たち音響は何もすることができなくなります。

うちぼり
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このブログがより多くの新郎新婦がイメージに沿った結婚式ができるように参考になれば幸いです。

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